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”ナノ空間”を巧みに操り、物質やエネルギーを貯蔵・分離・変換するための材料の開発やそれらに関連する科学分野開拓を目指した研究を展開いています。

MOF骨格画像

空間とは、何もないスペースと一般的には認識されていますが、その空間がナノサイズになってくると”特別な”空間として振舞います。

その理由は、空間を隔てている壁からの影響が顕著となってくるためであり、壁の構成成分がどのようなものであれ、この効果は発現します。

我々は、このような普遍的な化学的知見をベースとしながら、様々な材料においてナノ空間を発達させた材料の合成や、その構造解析、構造的特徴に基づいた材料の応用展開を目指した研究を行っています。

結晶構造解析風景

結晶は3次元的に周期的に繰り返し構造がありますが、波長1Å程度の光を結晶に照射すると、その結晶構造に基づいた回折現象が観察されます。

​我々は、そのように得られる回折データを利用することで、既知・未知を問わず、微小な結晶の粒からその原子配列を明らかにしています。

微小な結晶粉末の場合、高精度で回折データを得るためには、高輝度の光を用いる必要がありますが、そのようなときには世界最高峰の放射光施設であるSPring-8(兵庫)で実験を行います。

柔軟性MOF図

結晶の中には、外的刺激に応答して構造を変化するものが知られています。我々は、結晶の中でもナノ空間を有する材料を対象に研究開発しています。

これまでに、複数の新しい柔軟な結晶を開発しており、ガス等の外的刺激に応答して構造変化していることを明らかにしています。

​興味深いことに、それらの構造変化はある種のガスに対してのみ発現する場合があり、地球温暖化の主たる要因とされている二酸化炭素などの吸着分離材として開発を進めています。

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